悪魔の手先 NO.2  作:キョン

その日、俺は重い足取りで集合場所に向かった。

修学旅行の班長なんていう役さえ任されなければな…もっと楽だったのに…

まぁもう言っても仕方ない、と言い聞かせても嫌なもんは嫌なんだよ。

はぁ〜クソ共がっ!!

そんなことを考えつつも集合場所の駅前に着いた。そこにはすでに門戸がいた。

お互い話もしないで突っ立っていたら、水岡がやってきた。

「なんだ、意外と速かったわね2人とも。2人とももっと遅く来るものだと思ってよ」

うっさい。こっちは設定上班長なんだよ。そんなに自分の意見を押し付けたいならテメェが班長になれや

その後、水岡が反応しない門戸に延々と自分の自慢話をしていたところに、出本が来た。

「あり?俺最後かよ」

「はいはーいみんなそろったから皆の集合場所に行くよ〜」

皆の集合場所とは高尾山の麓である。麓に集合したのち注意事項などを説明し、班ごとに別々に上る。

それから、相変わらず水岡は門戸に延々しゃべり、そこに軽く出本が入って相槌を入れているような光景が続き、

集合場所に着いた。

その後「修学旅行始まりの会」とやらと、注意事項を適当に聞き流していたのは言うまでもない

そして悪夢の高尾山の登山が始まった。

{ナレーさん}っていうか修学旅行で何もせずにいきなり高尾山登るって、それ高尾山のハイキングって言うんじゃね?って突っ込みは禁止ですよ?{ナレー終}

初めは順調に進んでいたが途中で出本と水岡がばてた。

「ハァッ…ハァッ…ったく何でこんなことしなきゃならないんだ?どこでどう間違えるとこうなるんだ俺っ!」

「ハァッ…ハァッ…ま、まったく同感だわ、いっそこの辺一帯を平野に…いや、下り坂にしてやろうかしら?」

意外と弱い奴らである。まぁ無視できないので、(スローガンのため)そっちのスピードに合わせて歩いていた。

すでに後ろの班には全て抜かれていて、かなり遅いペースの登山をしている。

何でこんなに遅く歩かなきゃならねんだ、一番疲れとか無視できそうな奴らなのに。

10分後…

「・・・・・・・・・・・迷った」

「ぅおい!!」

俺は声をそろえて迷ったといった出本と水岡にシャウトした。

「何やってんだお前ら!!高尾山で迷うって奇跡だろ!!道が整備されていないならまだしも、されてたじゃん、さっきまで!!つーか途中で気付けや!!」

「うっせーバーカバーカバーカバーカ!!お前も班長だろ?ならお前が気づけよ!!」

「そうだそうだ―!!私たちは無実だー!!」

「うっさいバカーズ!!もうお前らには俺が命名してやる!!お前らこれからバカーズな!!いや、Sバカーズな!!つーか水岡、お前クラス会長だろうが!!」

「うるさいバカ!!てゆーかSってなんだよ、Sって!!」

「SUPERの略だよ!!」

「余計ヒドいじゃん!!」

クズどもとかかわらないようにしていた俺でさえ自然に突っ込んでしまうこいつらの天然ボケっぷりはいかがなものなのだろうか?

一回脳検査をうけてもらいたいね。つーか受けろ!!

「しかし、これからどうするの?」

バカーズがお互いに罪をなすりつけている時、そう切り出したのは門戸だった。Sバカーズは言いあいをやめ

「・・・あ、いたの?」

と言い放った。Sバカーズは完全に忘れていたようだった。

「あんたら(怒)…まぁいいわ、で、どうするのって聞いてるんだけど」

「俺に聞くな」

「まぁまぁそう言わずに、こんなときなんだし力を合わせて頑張ろうよ」

「…ちっ、仕方ねぇ」

確かにこいつの言うとおり今回の修学旅行では、貴重品を落とさないようにするために携帯や財布類はすべて回収されているのだった。

「連絡手段もないし、道に戻る目印もない。こりゃお手上げだな」

「とりあえず叫んでみたら?何かを」

「何をだ」

「例えば…誰かいませんかーとか?」

「門戸が昔○○○○を○○○○○し…」

メキャッ、ゴキュッ、ゴキャッ

「辞世の句は詠めた?」

「あの、ホントすみません。はい…」

何を言おうとしたのか気になるがそこは無視だ。

「そう言えばあなたと門戸さんはよく一緒にいますよね?何かいろいろ知ってるようですけど…」

「幼馴染だよ、ただの」

そうだったのか。ま、俺には関係ないけど。

「何でもいいけど叫べ、早く」

そう言うと出本と水岡が交互に叫びだした。

「誰かいませんか〜」

「いませんか〜」

「今晩止めてくださ〜い」

「くださ〜い」

「某テレビ番組か!!別に田舎に泊まりに来たわけじゃねぇんだよ!!つーか何で後半だけ繰り返してんだよ!!運動会の応援か!!そもそももっと声張り上げろや!!」

「よし、この突っ込みで俺たちが叫ぶ手間が省けたぞ!!」

「さすが私たちね」

「なに計算してんだァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」

<悪魔の手先 NO.2完>


=作者より=

いや〜今回は苦労しましたねぇ〜、NO.1であまり人と関わりを持たないという設定にしてしまったばっかりに。

主人公になんとか人としゃべってもおかしくないようにしようとして、こんな感じになりました。

いやね?自分でもおかしいなぁ〜とは思ってるんですよ、こんな感じでしゃべらすのは。

でも、親殺した奴が簡単に人としゃべるっていうのは個人的には、すっごく納得がいかなかったんですよ。NO.1のときは。

で、しゃべんないようにしたらこんな感じ…

何なの?どうすればいいんだよ!!死ねばいいのか?俺が死ねばいいのか?え?どうなんだよオイッ!!


コメント

3点 413 2010/01/31 20:22
バカーズって
放課後の教室にもでt(ゲフンッゲフンッ
ツッコミがすごいね
それを計算してる奴らもすごいね♪

高杉晋助 2010/02/05 19:41
コメント有難う御座います。
その辺りのボケとかはハヤテのごとくや銀魂やSKET DANCEで勉強しています。
確かにバカーズは放課後の教室にもでt(ゲフンッゲフンッ
続編をお待ち下さい


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