とある村 作:模様
どっかの町の大きいお城に魔女がいた。
皆の魔女のイメージは悪く、見つかったら鍋に入れられて食べられるという噂だ。
だが、ここに住んでいる魔女は、優しくて、ひ弱だし、昼夜関係なく外に出られるし、そんなに怖くもなかった。
その魔女は皆が自分をどんなイメージでいるのかも知らない。 だって町に出たことがないから。
明日はかぼちゃ祭りだ。 カボチャの料理でおもてなしして、皆と交流を楽しむ祭りだ。
この祭りを都合よく利用して、皆と友達になれないものか。 と魔女は考えた。
祭りの前夜に、魔女は町の皆に、こんな手紙を出した。
『こんばんは。 明日はかぼちゃ祭りなので、お城でもする事にします。 もし、よかったら来て下さい。』
魔女はどきどきしながら、くるみのベットに潜り込んで数分すると寝ました。
次の日。
皆はどうしてるだろう。と思いながら魔女はボリボリとカボチャを食べていました。
その頃の皆は、魔女から貰った手紙を見て99%の人が捨てて、1%の人が焼いて御払いをした。
無理も無いだろう。 魔女は間違えて赤い字で書いてしまったし、もともと評判が悪いから。
だけどその中では ジャンケンで負けた罰ゲームとして、城に行く少年がいた。
少年の名前は央守(おおかみ)といった。 別にこんな名前でも誰も気にしない。
ドンドン。
「・・・・・・ごめんくださいませ・・・魔女さまはいらっしゃいますか・・・」
ゴロゴロゴロガシャン・・・ 階段で転んだらしい。
「こんはん、は、いら、いらっしゃいませ!」
「ひっ、こ、こん、こんばんは、 すいませんです・・・帰りま・・・」
「上がりください! 料理も用意してるから・・・お願いでっおねがっ・・・」
「あ・・・はい・・・失礼します」
(やばい。上がってしまった。 どうしよう、食われるのか・・・いやだ・・・帰りたい帰りたい帰りたい・・・料理は美味いけど・・・怖い・・・!)
「そんなに怖がらなくていいよ。」
「うん・・・お前、以外と良いやつだな・・・もっと怖いと思ってた。噂が怖いしな・」
「え、噂? どんなの。」
「お前に会ったヤツは鍋に入れられて食べられるって噂だよ。」
「そんな・・・俺、人間は食えないよ・・・話した事もないし・・・」
「そうなのか?じゃあ俺が友達になってもいいぞ。」
「ほんとう!? 嘘、本当だよね、ありがとう!」
「じゃあ俺は皆に弁解してくっから。」
町。
「ほんとだって!悪いやつじゃなかったぜ。」
「マジかよ・・・でも怖いし・・・じゃあ俺いってみるよ。」
数時間後
「ほんとうだったな。以外と良い奴だった。」
いつの間にか、魔女は町の皆と友達になって、親しい存在になっていった。
だけど魔女は思った。
(皆と友達になれたのは嬉しい。 だけどこのままグダグダ続けてるより、幸せなまま消えたほうがいいな・・・)
魔女は決心しました。 不死の魔法をといて、砂になって消えよう、と。
ある日、魔女は町の掲示板にこう書きました。
『町の皆様へ。 たいへん勝手な事ですが、俺は明後日をもちまして魔女としての生涯を終わらせていただきます。
今まで仲良くしてくださった皆様、本当にありがとうございました。』
朝、掲示板を見た皆はお城に行きました。
「魔女! 開けてよ。 もっと話をしたいです」
皆がそう言っても、魔女は鍵を開けませんでした。
「そうだ、せーので体当たりして扉をブチ壊そう。 せーのっ」
扉が壊れた。
「魔女! まじょー! 何で消えちゃうの!?」
「・・・ごめんなさい、でも、俺が消えた後、砂になるからそれを埋めれば大丈夫だから。」
「・・・分かった。 じゃあまたね。」
2日たつと魔女は砂になって消えてしまった。
「埋めよ。」
数十年後、町は変わったが、魔女が住んでいたお城は取り壊されずに今も残っている。
もうすぐ、瓶詰めで埋めた砂が、赤ん坊になり魔女の子になるのもそう遠くは無い。
追記
これをかいたのは、絵本的なのを書きたかったんです。
その後も書くつもりでしたが時間が無かったので、遠まわしに・・・
乱文失礼しました。
コメント
1点 kana弟 2010/04/05 12:51
2話とかありませんよね?
模様 2010/04/05 15:07
評価ありがとうございます。
2話は、時間があったら作るつもりです。
目障りだったらすいませんでした。