ほしさがし 第1話 作:アイルー
――――私ヲ 早ク 迎エニ 来テ オ願イ 時間ガ無イ――――
東京都のある市に、一人の女の子がいた。
至って普通の子―
ではない。
「不幸を巻き起こす女」
「不幸女」
その女の子は、「不女(フジョ)」と呼ばれていた。
名前なんて覚えて貰ってない。
先生まで「不女」と呼んでいる。
親はいない。
その女の子は天涯孤独の身――
誰にも愛情を注いで貰わず、誰も名前で呼んでくれず―
この時点で十分不幸だが・・・。
その女の子が不女と呼ばれる理由は、まだある。
その女の子が近づいたら、必ず悪いことが起こるのだ。
最初のうちは、顔が自慢の女学生にニキビが出来る程度のことだったが、今では、事故に遭う学生も出て来ている。
だから、誰も彼女には近づこうとしない。
そんな彼女に―
ただ一人だけ、近づく男がいた。
いや、二人・・・。
?「なあ!」
?「あんた、竹内雪野っていうんだろ?」
そう。彼女の名は竹内雪野(タケウチユキノ)。
誰も名前を知らない女―
幸「俺は本田幸っつーんだ!ホンダ コウ!よろしくな^^」
雪「・・・。」
?「・・・。人には慣れてないのか。」
雪「・・・。」
誠「申し遅れた・・・。私は道矢誠(ミチヤ セイ)と申す。」
雪「・・・。」
幸「なあ、友達になんねーか?」
雪「・・・?」
雪「とも・・・だち・・。」
雪野の声は澄んだ、とてもきれいな声だった。
誠「私も、そなたと仲良くなりたいとおもっておる。」
雪「・・・コクリ」
雪野は、小さく、でも、しっかりとうなずいた。まるでこの先の未来が見えたかのように―
コメント