夜の四角。  作:ヒツジなのだ。



夜の視覚に
目を瞑り(つむり)

雨の音色に
無を紡ぎ(つむぎ)

世界の小さな片隅で
僕は夜夢(よゆめ)を
見ています


イービキ・ノイズに
しょぼくれて

カナシミ・ソウルに
こころをいため

今日も世界の片隅で



夜夢は閉じてて
小さくて

理解の範囲で
不可解で

繊細めいてて
図太くて

明朗モードの
迷路です



僕は世界の
迷路の中で

夜夢の乾いた
クローンの僕に

『そっちは違う』と
叫びます


けれども僕の
カナシイ影は

必ず『そっち』へ
向かいます



あるいは僕は
世界の影に

『このまま続け』と
叫びます

やはり世界は
目覚めと共に

やけにあっさり
終わります



思い通りにならぬこと

想いの桜の花びらが
シャラリ舞い散る春のこと

僕は世界の
『四角』の中で

静かにゆっくり
目を瞑り

雨の音色を
聴きながら

世界の無意味を
紡ぎます



耳をすませば
雨の音

終わらぬ予感の
リフレイン

僕は無意味を
繰り返す


やるせぬ影が
何かを叫ぶ

それでも僕は
繰り返す



四角い世界の片隅に
転がる僕のこころの底で

無意味が僕を
抱きしめる


僕は世界の片隅で
ざわめく響きを
聴きながら

僕の無意味を
抱きしめる



能動 受動の
ディファレンス



そこにあるのは
大切な

祈り未満の願いです




夜の四角の片隅で
雨の音色に無を紡ぐ



能動 受動の
ディファレンス




そこにあるのは
月光です








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