嘘つきの涙 2  作:彩

あれはいつだったか。
教室に忘れ物をしてそれを取りに行ったとき、愛結とその友達がいて、たまたま会話を立ち聞いた。
「愛結はいいなー。あんなカッコいい恋人がいて。」

「ラブラブだよね。」

「えー、違う違う。好きなフリに決まってるじゃん。」

「え?」

「あんなの愛結が本気にするわけないでしょ。」

訳が分からず、俺はその場に立ち尽くした。
聞こえてくるのは、愛結の笑い声だけだった。



愛結にとって俺は株をあげるだけのアクセサリーでしかなかったのだ。




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