嘘つきの涙 4 作:彩
「ぇ?」
『もう、お前といるの疲れた。
じゃあ、そういう事だから。』
「ちょっと待ってよ!優!!」
帰ろうとする俺を今度は愛結が引き止める。
あっさり別れてくれるものだと思ってたから正直これには驚いた。
「なんでよ、急に…。やだよ…。」
『愛結……。』
ポロポロと泣きだす。
思わず心が揺れたが、すぐにハッとした。
慌てて腕を振りほどく。
『いい加減にしろよ。
また俺はいいように使われんのか?』
「優っ」
『ふざけんな。』
そう言い残し俺は優の前から立ち去る。
おまえなんか大嫌いだ。
なのに、目の前が歪んで足がふらつくのは……なんでだろう。
ねえ…
最後に一つ教えてほしいんだ…
君が最後に流した涙も、
嘘ですか?
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