黒歴史 1話? 作:兎神
君の黒い髪に僕は惚れた。
君の艶のある唇に僕はキスをした。
君の体に惹かれ僕は君を抱いた。
君は長い文で話すけど、意味はあると思ってる。
「好きだよ」
どんなに照れていても、目を見てちゃんと話してくれる君が好きだ。
目を見て話してくれてるのに僕は照れくさくて目を背けてしまう。
でも、君は両手で顔を掴み「私を見なさい」と、無理やり顔を動かす。
少しだけ強引な気もするけど、それが嬉しかった。
君の外見や中身が僕の理想だったから多少美化してるという意識はある。
でも、それは本当に少しだけ……。
「助けて」
いつもは長い文でメールが送られてくるのに今日送られてきたメールは違う。
助けてって何?
胸が苦しい。 僕は慌てて返信したけど、メールは返ってこない。
どうしよう、どうしよう……。 ドクンドクンと心臓の音しか聞こえない。
君に何があったんだ、大丈夫なのか、不安で仕方がない。
返信してから30分も経ってないと思う。 そこで僕の記憶は途切れた。
気が付けば病院らしき所にいて、現状を理解しようと記憶を探っていたがここに来るまでの記憶はいくら思い出そうとしてもそこまでだ。
記憶を探ってる中で違和感を感じていた。
本当に彼女の髪は、唇は、体は理想通りだったのだろうか。
それに僕はこんなにも落ち着いている。 記憶の中ではあんなにも焦っていたのに……。
―――――――――続―――――――――
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