Repeated 1話  作:あいりあ

快晴だった。鳥が飛ぶ空には、今日もまた、街の五月蝿い騒音が響き渡る。
その騒音の主たるものは機械音で、そして唐突に、それに新たな音が加わる。
流天学園のチャイムだ。
この流天の街に住んでいるのであれば、誰もが知っているであろう音。
それが果てると同時に、再び別の音が響いた。
叫び声のようなそれは、流天学園二年S組の教室から発せられたものだ。
「なんだよ。五月蝿いなぁ。」
眼鏡を掛けた少年が言う。
少年の胸には、『ミナト・リスペリオ』と書かれたプレートが有る。
「だってお前の夢って当たる確率結構高いしなぁ......」
そう言った少年の胸にもやはり、『クロノ・ユーラス』と書かれたプレートが有り、
「クロノの言う通りだ。今回ばかりは外れると思うが」
「ロネット、それフラグだよぉ?」
『ロネット・フィニ』の言葉を遮ったのは『レナ・フリージア』だ。
その少女、レナはその長く伸ばした金色の髪を弄りながら、
「ねっ、りっちゃん。」
一人、全く会話に参加していない少女に話を振った。
「え、ボク!?」
『リーナ・ファラルシオス』は、突然話題を振られたことに戸惑い、
「御免ね......」
謝罪の言葉を並べ、そして、
「今日の晩御飯のこと考えてたよ......」


それより数分後、リーナはレナより適当に説明を受け、
「うん。つまり、ミナト君の『予知夢』の内容が酷いと。」
「りっちゃん...なんで説明口調なのかな?」
レナはそういって、まあその通りなんだけど、と心の中で補足する。
「酷い、というよりも異常だよ。戦争を予知するなんて本来有り得ない」
「ああ。おかしいんだよ。お前、ゲームのやりすぎじゃね?」
クロノはそういい、
「だって、今は全世界で戦争が禁じられてるじゃねぇか。」
現在発見されている、二十五の世界。それらは互いに侵略をしないという条約を結んでいる。
内乱なら、可能性は無い訳では無い。が、内乱が起きようものなら、他の世界が救援という形での出兵が出来る。
故に、各世界は内乱が起こらぬよう、細心の注意をはらっている。よって可能性は限りなく低いと思われる。
「あ、もしかして前に『夜の』とか付く?」
「つかないよ馬鹿......」
クロノの言葉に、ミナトは溜め息をつく。
「ああ、そういえばもう少しで戦闘テストか。そのときになにか起きなきゃいいけど」
明らかなフラグ。対し、ロネットは、
「お前は俺たちに何する気だ!?」


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