曇り空 作:AUN
ちょっとだけ意味ない事をした。
ただでさえ星も瞬かない、
曇りの夜の空に飛び出した。
ちょっとだけ意味ない事をした。
夜ふかしするわけでもなく、
真っ黒なコーヒーを飲みほした。
そっと座って、カフェインで目覚めている目で、
星どころか、月さえ見えないこの空、
油断すれば、もしかしたら、雨でも降ってきそうな、
この不機嫌な空に、砕いたガラスのような星を並べる。
この不幸な空に、割れた鏡のような輝きを欲しがる。
鏡にもう映らない、あの子のことも考える。
過ぎていた時間に気付いて、
雲のすきまのあの星を見つけて、
真っ黒なコーヒーを飲んだ後でもぐっすり眠れるように、
そっと、あの不条理な空にお願いした。
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