蝉の合唱〜其の一〜  作:www

『ミーンミンミンミンミン・・・』

暑い・・・うるさい・・・そんな音で目覚めたのは、約一ヶ月前に引っ越してきたばかりのごく普通の高校生だった。

「あら健太、やっとおきたの?もう7時30分よ?」

そしてトーストがあるから、と母が言った。そこで、そのトーストにかぶりつこうとした瞬間!玄関のチャイムが鳴った

『ピンポーン』

その音がなるのと同時に俺は自分の部屋に戻り、カバンを持って急いで玄関へと駆け出した。

「遅いよ健ちゃん!」

と魅尾が言ってきた。俺はその魅尾のちょっと怒った顔がおもしろくて、わしゃわしゃと頭をなでてやった。

魅尾は髪の毛の形が崩れた!と怒っていたが、俺は聞こえないふりをして無視をした。

魅尾は俺が無視していると分かったらしく怒るのを途中でやめた。すると、もう待ち合わせの場所へ着いていた。

そして後ろから音が鳴った!と思うが早いか、『スパーン!!』という音とともに俺は倒れた

「くっそ〜!やりやがったな!レナ〜!今回こそはどんな悪戯が来ても防ごうとおもっていたのに!」

「そんな罠に引っかかるようじゃあ体が3ヶ月ともたないよ☆」

「くそ!この恨みは今日の部活で返してやるからな!うんとひどい罰ゲームにしてやる!」

「でもそういってすごい罰ゲームを考えても、いつも自分が罰ゲームを受けるハメになっちゃうけどね〜。にぱー☆」

そういったレナの挑発に乗ろうとしてしまったが、今日はやめておいた。

「さ!いつまでもしゃべってないで学校に行くよ?早くしないと遅刻しちゃうよ〜!」

そういって魅尾は俺に手を差し伸べてくれた。俺はその手につかまり、なんとか立ち上がった。

そして走りながらレナに

「今日のことは絶対に覚えていろよ!」

といったが、

「う〜ん、どうだろ。放課後までに忘れちゃうかもよ?」

とレナが言ってきた。その挑発に俺は乗ってしまった。しかし、しゃべろうとした瞬間に校長先生が

「はやくしないと遅刻だぞ!」

といってきた。実際に玄関に生徒はいなかった。

「じゃあ、また放課後で会おう!レナは絶対に覚えていろよ!」

「だ〜か〜ら〜!放課後までに忘れちゃうかもだって!」

という口げんか(?)のあとに魅尾が

「じゃあね〜レナと健ちゃん!またあとでね〜」

と言ってきた。そして俺たちはそれぞれのクラスに散っていった。

そんな光景を蝉たちだけが見ていた・・・そんな気がした・・・

『ミーンミンミンミンミン・・・』


蝉の合唱〜其の一〜  完


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