A列車で行こう物語 災害からの復興A 作:ヨワモノ
@の続き・・・
社長は無事申請が終わり、県庁から出て、在来線でまた3時間かけて戻った。
丁度、三崎駅につくころ、電話が鳴った。秘書からだった。
秘書「社長、今、どこにおられますか?」
社長「今、列車の中だ。どうしたんだ。」
秘書「実は、補助金の申請について、申請の担当職員から会社宛に電話が来たんですけど、社長がまだなもんでして。」
社長「じゃあ、私の携帯にかけるよう言っといてくれないかな。」
秘書「かしこまりました。連絡しておきますね。」
担当職員「携帯電話に失礼します。申請につきまして、連絡があります。」
社長「どういうことですか?」
担当職員「実は、県の補助ではなく、国の補助として受けることになります。県で受け付けたのは、本部まで行く手間を省くためです。」
社長「もしかして!」
担当職員「ええ、国から、電話がかかることになっています。電話は、携帯電話のほうにしておきますね。」
社長「了解。よろしく頼みます。」
担当職員「了解しました。」
社長「そろそろ、三崎駅に着く頃だ。降りる準備をしよう。」
??「ちょっと、お客様。」
社長「ん、どうしたんですか。」
??「そこのお茶がこぼれてます!」
社長「これは失礼な。このタオルをお使いください。」
??「べ、別にいいです。」
社長「変わりに、名詞でもどうぞ。」
??「は、はい。」
社長「それでは、次の三崎駅で降りますので、失礼します。」
??「ん、三崎電鉄?もしかして株を買ってくれた方々かしら。」
社長「お茶を零してしまうし、ちょっとゴタゴタだったな。さて、会社に戻ろう。」
秘書「お待ちしてました。経理部長がお待ちでいます。」
社長「そうか。すぐに話そう。」
社長「経理部長、只今戻りました。」
経理部長「あ、社長。復興の申請についてです。」
社長「なんだ。」
経理部長「実は、三崎市の地震に対して、支援を国から受けれるということで話です。」
社長「今朝、申請のほうに、県庁に行って来た所だ。」
経理部長「そのことで、明後日、麻生太郎総理が三崎市のほうに来られ、補助金についての会談をすることになっている。」
社長「補助金の限度額はいくらか決まってませんよね。」
経理部長「限度額を、明後日、決めるわけだ。だから、社長には、これから先の復旧工事を含め、使用される金額を書き出してほしいのです。」
社長「書き出したら、どうしましょう。」
経理部長「書き出したら、パソコンに打ち込んで、印刷するのもありだな。」
社長「とにかく、工事の予定内容を書けばいいんですね。」
経理部長「まあ、そういうことだ。」
社長「これからもよろしく頼むよ、金子さん。」
秘書「会議が終わりましたか。これからも予定がぎっしりと詰まってますよ。」
社長「予定はどのようなものだ?」
秘書「まず明日ですが、三崎テレビの基地局の土地を確保しに着ます。そして、そのまま三崎テレビが三崎市の復興を中継します。」
社長「明日は三崎テレビに関わるのか。三崎テレビと一時的にでもいいからスポンサーを組みたいですね。」
秘書「明後日には、麻生太郎総理との会談、三崎テレビが中継で伝えます。」
社長「確か、補助金の限度額を話し合うとか言ってたな。」
秘書「なかなかハードなスゲジュールですけど、これも復興のためですしね。」
社長「そうだな。でも、もう夜だ。夜じゃ作業も出来んし、経費節約だから節電節水だな。」
秘書「さて、今日はもう終わりにしましょう。また明日、明るいときにしましょうね。」
社長と秘書はそれぞれの部屋で寝についたとさ。
次の日、業務部長が、社長室のインターホンを押した。
業務部長「社長、おはようございます。ちょっと、話したいことがあります。」
社長「部屋に入ってきてくれるかな。」
業務部長「今日、三崎テレビと、土地などに関する話し合いを行いますが、何か社長として意見ありますでしょうか。」
社長「ふむ、私的には、三崎テレビを我が社の子会社にしたいと思っている。三崎テレビの社長さんとちょっと話したいですし。」
業務部長「三崎テレビを子会社にするわけですね。社長、今日の予定は空いてますか?」
社長「予定は空いている。」
業務部長「じゃあ、社長さんも来て話しましょう。三崎テレビの社長さんも呼んでくるように頼みますし。」
社長「じゃあ、会議室3を使おう。私が部屋を取っておくから、高田さんは、三崎テレビの方を案内してくださいね。」
業務部長「了解です。失礼しました。」
社長「さてと、工事の様子を見に行くついでに、市の復興団体の復興状況も把握しに行くか。時間なら10時までフリーだしな。」
社長「お、環状線と同じように歩けるんだ。道も環状線にくっついてるし。あ、バスがあるよ。バスに乗るか。」
社長「ん、もしや、市営バスなのか?」
アナウンス「次は、名屋駅前、名屋駅前です。」
社長「お、もうついたのか。バスにしては早いな。」
このバスは、市が運行するバスで、通称、グリーンラインバスと呼ばれている。
三崎鉄道が発足するまでは、列車も市営だった。その頃は、グリーンライントレインと呼ばれていたとか。
名屋駅からは、工場が建築されている鳥西方面へつながっている。鳥西は、貨物が一生懸命工場の資材を売りさばいたりしているが、隣の市にもいける。
観察が終わり、名屋駅前から西回りに乗った。というより、内回りしか通ってないのだという。
会社に着いた。朝御飯を急いで食い、結果をまとめた。
業務部長「あ、社長。おはようございます。三崎テレビの方です。」
社長「おはようございます。」
三崎テレビ「始めまして。僕は三崎テレビのものです。」
業務部長「ええっと、三崎テレビの放送局の土地ですよね。」
三崎テレビ「は、はい。そうです。希望では、三崎駅の辺りがいいですかな。やはり、駅に近いほうが、取材も行きやすいですしね。」
社長「そうか。でも、そう都合良くは出来ないけどな。」
業務部長「いや、それは実現できますよ。実は、既に場所を確保してあるんだ。」
社長「どこなんだ?」
業務部長「知りませんか?市庁舎と三崎鉄道の建物の間。今は三崎電鉄の部屋ですけど、すぐに三崎テレビの建物にも出来ますよ。」
三崎テレビ「ありがとうございます。そこにします。」
社長「さて、こちらからのお願いなんだけど、高田さん、よろしいですか?」
業務部長「ええ、いいですけど。」
社長「実は、三崎電鉄の子会社になっていただけないかと思いまして。三崎テレビが人気なら三崎電鉄も人気になりますし、逆にもなると思います。」
三崎テレビ「いいですね。お互い助け合いでいいでしょう。あ、お礼に毎日の指定時間、三崎電鉄で番組を持ってもらってもいいですよ。」
社長「え、そんなあ。高田さん、どうします?6時台がいいとも思うけどな。」
業務部長「いいと思いますよ。6時からの1時間で、三崎テレビのニュースが入るって形で。」
三崎テレビ「ありがとうございます。これで目的が達成できますね。」
社長「じゃあ、終わりますね。」
社長は、三崎テレビを子会社にすると仮に決まり、逆に三崎テレビの子会社になることも仮に決まった。
ここからは、業務部の腕どころだ。
業務部長「あ、こんにちは。三崎電鉄業務部の高田と申します。」
三崎テレビ「いやいや、こちらこそ。」
業務部長「え〜と、以前の会議で、お互いの子会社になると仮に決定しておりまして、今日の会議で本決定とするつもりです。」
三崎テレビ「私は、了承する。もし、三崎電鉄が困ったときには、テレビで人気を出し、売り上げを落とさないようにしたいんです。」
業務部長「そうですね。では、これで会議を終了してよろしいですか?手続きはこちらでして起きます。三崎テレビの方は、部屋などの整理などをお願いいたします。」
三崎テレビ「手続きのほう、よろしくお願いします。」
業務部長「もしもし、三崎電鉄業務部のものですけど、三崎市のほうでしょうか?」
担当職員「あ、もしもし。こちら三崎市です。」
業務部長「あの、三崎電鉄と三崎テレビの子会社契約のほうをしたいんですけれども。」
担当職員「あ、すみません。その手続きはここでは行っておりません。県のほうで行っておりますので、県庁のほうまでお越しください。」
業務部長「え〜と、じゃあ、県庁のほうに直接行けばいいんですね。了解しました。」
業務部長「社長、これから、ちょっと県庁のほうに行ってきます。」
社長「何をしに行くんだ?高田さん。」
業務部長「子会社契約の手続きを行いに行きます。三崎市では扱わないそうです。」
社長「では、了解。くれぐれも気をつけてくれ。」
業務部長「了解しました。」
Bへ続く
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