変わり者の名探偵 2 作:ふっく
変わり者の名探偵の続編です。 前のを読んでからご覧下さい。 ではどうぞ↓
なるほど電車やバスの便がないのもうなずける。 場元町とは工場ばかりであまり民家のないところのようだ。
まあ、ようするに殺風景なド田舎である。 ぼく、山田憲二(さんだ けんじ)はこんなド田舎で一体どんな事件がおきるのだろうかと疑問に思った。
さ〜く〜ら〜♪ さ〜く〜ら〜♪ 「あっ、電話だ。」
「はい、もしもし、ああ、世園寺(せいえんじ)探偵ですか。」
「なんだ、憲二くん電話にでてそうそういやみかい? 気が短い男は嫌われるよ。 だって、普段君ぼくに探偵なんて付けないだろ。」
「いやみじゃありません。 事実を申したまでですが。 でっ、ぼくを置いていった人がぼくになんのようですか?」
「いや〜、君が道に迷ってたらいけないな〜と思って。」
「世園寺さんじゃないので。 ぼく、世園寺さんより方向感覚ありますから。」
「まあ、それならいいや。 早く依頼人の家に来るように。 いいね?」
「わかってます。 じゃあ、また後で。」
そう言い電話を切った。
そして、依頼人の家を目指した。
世園寺さんから聞いた話によると、今回の依頼人はお金持ちで、相乗智則(そうじょう とものり)という大きな会社の社長らしい。
依頼人の家が見えてきたすぐあとに、 ドカドカ ガシャン パリーン と大きな音がした。
はじめは、誰かが皿でも落として割ったのだろうと軽い感じでみていた。
今の僕は、その音がなんなのかはあまり気になっていなかった。 後で、その音の重要性を知ることになるんだが。
ピンポーン
「はい、相乗ですが。 何か?」
インターフォンごしに声が聞こえる。 自分で相乗と名乗っているから、彼が相乗智則なのだろう。
「あっ、ぼく世園寺探偵の助手の山田憲二と申します。」
「ああ、探偵から伺ってます。 今、開けるのでお待ちください。」
大きな門が、少しずつ開いていく。
ぼくは、門をくぐって広い庭を歩き建物に向かう。
思ったより建物は古いようだ。
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