私は世界一幸せな少女。 作:もち
私は世界一不幸な少女。誰からも愛されず、誰かを愛することもなく、ただ闇に消えていく。そんな存在。私の両親は、私が生まれてからすぐに亡くなった。今は親戚に引き取られているが、親戚は、
私の事を邪魔者の様に扱う。そこまであからさまでなくとも、少なくとも私を引き取ることに対して、いい顔はしてないようだった。勿論学校でだって、私なんかと仲良くしてくれるはずもなく。
いつも1人でいる。いじめにもあっている。こんな事が、小学校に入ってから、まるまる5年間。私はどうなったか。私に対していじめを繰り返している人に対して、もう憎しみすら感じなくなっ
た。親戚のちくちくしたいびりにも、もう、何も感じなくなった。生きている意味すら、見いだせなくなった。相談もできず、ただひたすらいじめやいびりに耐え続けるしかなかった。そんなある
日、私はある一冊の手記を見つけた。どうやら母の物のようだ。そっと開いてみると、こんなことが書いてあった。「今日、あの子が生まれた。元気に産まれてくれて、親としては、嬉しい限り
です。でも、私は、重い病気を患っているので、長く持ちそうにないです。もしあの子がこのノートを見ていてくれるのなら、伝えたい。「産まれてくれてありがとう。お母さんは、いつもあなた
のことが大好きです。」って。当たり前のことかもしれないけれど・・・。」私は声を出して、思い切り泣いた。私をこんなにも大切に思ってくれている人なんて、今までいないと思っていたから。
親なんだから、これほど大げさにする程のことじゃないかもしれないけれど、ただただ嬉しかった。もうちょっと頑張って、生きていこう。
私は世界一幸せな少女。誰からも愛され、誰かを愛することができて、光に包まれて生きていく。そんな存在。
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