真紅のショートケーキ 作:キョン
「ふんふんふ〜ん♪」
ぼくは鼻歌交じりに帰った。なぜなら今日は僕の誕生日だったからだ!
僕「ただいま〜」
母さん「おかえり〜」
ここまではいつもの通りだが今日はもう一つの返事があった。
父さん「お帰りっ!」
父さんだった。今日は僕の誕生日なので休んでいる。
(父さんの会社では誕生日祝い休みというおふざけの産物としか思えないようなものがある)
父さん「じゃぁプレゼントは夜でいいな」
僕「うん、いいよ」
なぜ夜かというと、「晩御飯の買い出しのついでに行っちゃうか」ということである。
僕は別にいいので、いつもそのように買っている。
夜まで時間があったので、僕はグローブの手入れをしていた。僕は少年野球に入っているのだ!
そして夜…
晩御飯の買い出しに付き合っていると、はじからはじまで全部僕の好物だった。(ジュル)
もちろんケーキも買った。イチゴのショートケーキだ。(ジュル)
買い出しが終わったら、近くの野球専門店に行った。プレゼントを買いにだ。
僕はプレゼントをバットと決めていた。この前折れたからだ。
種類は前と同じにした。何となく自分と合っていたし、それにしたほうがよいと感じたからだ。
買い物もすべて終わり、家に着いた。
早速父さんと母さんは調理をし始めた。
その間僕は…やっぱりグローブの手入れをしていた。
晩御飯はとてもおいしかった。好物だったし、なによりみんなで笑いながら食べれたからだ。
まさかこれが最後の晩餐だなんて思いもしなかった・・・
その夜…
僕は悲鳴で目が覚めた。これはキッチンのほうからだ。
僕はバットを持って恐る恐るキッチンに向かった。階段のギシギシという音が一層気味悪く感じた。
でもまだ僕は、ゴキブリが出た〜とかそういうオチだと思っていたから、笑っていられたんだと思う。
だが現実は違った。
僕「どーしたの?」
そう言いながらキッチンにはいると、知らないおじさんが一人と、血を出して倒れている父さんと母さんがいた。
床にはちがべっとりと付いた棒があった。
僕は状況が呑み込めなかった。
おじさんはこっちにきずいたようで、話しかけてきた。
おじさん「どーしたのボクゥ?おとーちゃんとおかーちゃん見てびっくりしたぁ?」
明らかになめている声だった。だがそんなことはどうでもよかった。父さんと母さんが心配だった。
それに気づいたようで、おじさんはニマッと笑って、
おじさん「おとーちゃんとおかーちゃんはもう死んでるよ。確認したから(笑)」
このときわかったこいつが殺ったんだと…。
犯人は流しの横に置いてあったショートケーキに気づいた。
犯人はそれを見て
犯人「今日誰かの誕生日だったんだねぇ〜ろうそくは…10本!てことは君かな?」
何かをほざいていたが、そんなことはどうでもよかった。
僕「…から離れろ」
犯人「ん?」
僕「それから離れろっつってんだドカスがぁぁっ!!」
自分でももう何が何だか分からなくなっていたんだろう。たぶん母さんたちの仇を取ろうと思っていたんだろう。
犯人「…はぁ?」
犯人はなに言ってんのという顔で僕を見た。そして棒を拾い上げて、僕に近付いてきた。
犯人「なになにそんなに怒んなくても、すぐにおとーちゃんとおかーちゃんに会わせてあげるからねっ」
そう言って犯人は棒を振りかざし、そして振り下ろした。
「ガキッ」
僕は持っていたバットでその攻撃を止めた。そして犯人のみぞおちに右ストレートを叩きこんだ。
犯人「ゴフッ…!」
不意を突かれて殴られたのだから、結構効いていた。犯人がのた打ち回っている間に、僕は棚から包丁を取り出した。
犯人「ガハッ、グフッ…!!」
犯人はそれに気づいたようで、うなりながら止めようとした。
犯人「やっ、やめっ…ガッ!!」
僕「黙れ」
そう言って僕は犯人の脇腹を蹴った
犯人「グゲッ…!!」
そして犯人の首筋をつかみ流しにたたきつけた。
「ドガッ!!」
犯人「ブッ…!!」
そして僕は犯人の頭に深々と包丁を突き刺した。
犯人「ガァァァァァッッ!!!!」
その後僕は、いろんな悲鳴が聞こえて心配になって来た人によって保護された。
その人たちによると、僕はほぼ無意識の状態で犯人に包丁を突き刺し続けていたらしい。
2日後僕はショックから立ち直り、自分の家へ行ってみた。
ここまで早く立ち直れたのは、仇がとれたということと、ほとんど記憶がないからだろう。
あの時僕は、父さんと母さんのほうを見ないようにしていたからな。
キッチンにはいるとそこには、真紅に妖しく輝いているバットと、
真紅に妖しく染まったショートケーキがあった。
コメント
3点 kana 2009/10/03 07:02
「僕」がかわいそう・・・ってん??ショートケーキを10年??
高杉晋助 2009/10/03 09:54
kanaさんスイマセン。
少し変更しました。