鉄道経営物語 第7話 総会出席  作:ヨワモノ

股田事故田は、高槻駅11時発の列車に乗務することが決まった。
運転所が違うため、朝一の列車に乗務することは出きない。
だから、社長もそこだけはずらしているそうだ。
そして、その前に、股田事故田が、福知山線脱線事故の総会に出席するように頼まれた。予定列車は違う人に頼んであるらしい。
社長の言うことなので、従った。
会場は、尼崎市役所だ。裁判をする所が屋上にあるので、そこで総会をするらしい。
当時は、ATC(オートトレインコントロール)の設置がされていなかったのが原因といわれている。
しかし、このカーブの設置後に急カーブだと分かっており、そこのすぐ脇にマンションを置くのも悪いとなっている。
また、そもそも、運転手がスピード超過で脱線させたのもある。
当時の制限速度は80qで、運転手の出した速度が130qで、完全に速度超過である。
このために、完全にJR西日本の指導不足だったとなっている。
実は、三つとも駄目な条件なのだ。
急カーブの位置のマンションは、マンションにぶつかって車とかが破損しても、会社としては責任を取りませんということで、
ATCは、急カーブ直前など、スピード制限の必要な区間の前に付けられるが、つけていなかったといわれている。
速度超過の件は、完全なる指導不足となっている。
そして、JR西日本が発言する謝罪文だ。
「平成17年4月、我々の西日本旅客鉄道株式会社は、106名もの命をなくし、500名以上の怪我人などを出させて参りました。
運転手に対する指導も、足りなかったと実感しております。
そして、ATCの設置もしておけば、速度超過でのカーブ通過はなかったと思います。
しかし、私が思うには、マンション建築会社や入居者にも問題があるものと思います。
それは、そのときには急カーブだと、建築時にも連絡をしておりました。
そして、それを売り出すときに、急カーブ間近の位置だといっておりました。
しかも、線路柵から600メートルぐらいしか離れておりません。
これでは、マンションの入居者の苦情が入ってもおかしくありません。
今のままでは、急カーブの取り壊しは出来ません。そこのマンションがあるからです。
500名以上の負傷者の中に何人かはマンションなどの住民であるとも考えます。
しかも、簡単な倉庫も線路脇にあり、そこの保有者からも文句が出ています。
我々の会社は、マンション住民や倉庫の保有者などの苦情は受け付けません。
その件に対しては、建築会社や市の責任であると思います。
そして、それで何億円という支出が出ており、我々も、急カーブ修正のための工事をしようにも、赤字で工事が出来ません。
事故の再発を防ぐためとし、地下でカーブを作るにしてもお金が足りなすぎます。
その件もしっかり考えた後、急カーブ修正のための資金ももらえればと思います。
長くなりましたが、よろしくお願いします。」
このセリフは、もちろん社長が言った。
股田事故田は、社長が用意した映像を移す役だ。
そして、これに対し、
「なんだよ、自分が悪いって自覚してねえじゃないか!」「なんでも他人に押し付けるんじゃねえ」
などと発言があったが、股田は、無視した。これには答えれない。
でも、社長は、
「確かに、市やマンションの管理会社などの責任であると思います。でも、我々も悪いと感じています。つまりは、市やマンションの管理会社なども悪いということです。」
と言った後、「何だ、そういうことか」などと納得する人が多くなった。
そして、総会も幕を閉じた。
メディアの取材に、他の人らは答えなかったのに対し、JR西日本だけは違った。
取材に答えたのだ。やはり、こういう元国の経営会社はメディアに弱いというのはこのためなのか。
そして、幕が閉じた。

<次回予告>
やはり、この時期は、最終回の時期でもあります。
僕の書いている小説5作品のうち、2作品が途中撤退、2作品が早くも最終回を迎え、この話だけとなりました。
で、この話も最終回に・・・と行きたいのですが、それでは、寂しすぎるので、特番をお送りします。
鉄道経営には関係ないのですが、1年に一回しか殆どない日を、股田夫婦は過ごすのであります。
特番だから、その内容は言えませんけどね。
とにかく、お楽しみに。


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