紅の月2 『ゲーム』 作:ムク
その紙に書いてあった事は・・・。
生徒の皆様 平成21年5月7日
青葉高等学校校長並びに職員一同
殺し合いゲームに関するお知らせ
新緑の候、生徒の皆様にはますますご健勝のこととお喜び申しあげます。
さて、突然の事で大変申し訳なく思いますが殺し合いゲームを企画いたしました。
皆様にも御理解いただき、御協力、御参加をお願いいたします。
記
○日時
本日午前9時より(終了日時は不明)
○実施地
ゲーム特設会場
○参加資格
・本校の生徒であること
・本日登校している者
※参加への拒否やゲーム中の逃亡は許されません
○実施理由
・不要な人材の排除
・チーム設立の人選
・娯楽
○ルール
・刃物や銃、鈍器、素手などで殺しあう
・クラス毎にゲームをし、クラスで二名の代表者を決定する
・各クラス二名、全体で三十名の特殊チームを設立する
それでは皆様の御健闘をお祈りします。
「はぁ!?」
読み終えた俺は再び驚愕の声をあげた。
殺人なんかしないよな皆・・・。
「圭太・・・」
アリが不安そうな顔で俺を見上げる。
「バァカ!ありえねぇだろこんなん」
あえて明るく言うが、アリはやはり不安なようだ。
「仕方ねぇな・・・。そうだ!先生に聞けば良いじゃねぇか」
俺がそう言った瞬間、地面が震えるような音がした。
バーーーーーン!!
「っ!」
俺とアリが見たものは、眉間に直径5cm程の穴が開いた男子生徒だった。
その1m離れたところには禿げた数学教師、野沢が立っていた。
彼の両手の中には黒光りする銃が煙をあげていた。
先程まで囁き合っていた生徒達の全ての時間が止まった。
誰一人口を開くものはいない。
その時何者かが野沢に向け歩みを進めた。
「おい・・・」
その人物は冷静に口を開いた。
全員が息を呑む音がした。
その人物が軽くこちらを一瞥した。
「航平!!」
俺は叫んでいた。
アリを置いて走り、野沢の持つ凶器から航平をかばうようにたった。
「フン。小僧、友情ごっこか?それともヒーロー気取りか?」
野沢に嘲笑われても気にせず航平を引き戻そうとした。
「やめろ。俺は先生に話がある」
航平は俺を突き飛ばし、野沢に向き直った。
「何故彼を殺した」
航平の冷たい声に負けない冷たい声で野沢も答える。
「あいつは参加を拒否したからだ。お前も殺されたいか」
航平は溜息をついて続けた。
「じゃあゲームって本当の事なのか?」
「あぁそうだ」
そう言い残すと野沢は会議室の方へ歩いて行った。
途中、数名の女子生徒が悲鳴をあげて道を空けた。
コメント
ムク 2009/07/14 18:28
観覧ありがとうございます。
今後(かなり)グロい表現が入ると思われます。